クレーン車の最強メカニックは中古車査定どこを見ている!?
クレーン車や重機のメンテナンス、中古車の販売・購入サポートを行う建機サービスです。
前回、同業者の置き場を借りて、クレーン車の社外品液晶パネルの交換テストを行いました!
そこに協力してくれたのは、日本のクレーンメーカーで設計士をしていたキャリアをもつ、加藤さん。
その後は東南アジアの超大手のクレーン商社に採用され、ラフタークレーンやキャタピラのクローラークレーン、世界各国から集まってくる様々なメーカーのクレーンを、現地で部品を調達して修理するというご経験をされたそうです。
現在も海外の企業で勤務され、日本で巨大タンカーの設備やメンテナンスに携わっていらっしゃいます。その合間にわたしにネタを提供してくれています。(笑)
加藤さんは陸の車やクレーンの免許はもちろん、船と、さらには飛行機の免許まで持っていて、飛行機を操縦しているんですよ!
ジェームズ・ボンドみたいですよね。
そんな加藤さんに、クレーンメカニックの方は中古車のどんな部分を確認するのか、また尾形からの質問など色々と聞いてみました!
クレーン車のピストンリングの摩耗を見破る方法
「エンジンのピストンリングの摩耗を見破る方法」です!
昔のクレーン車はブローバイでオイルが出始めると、ピストンの隙間が多いからどんどん下に漏れるんですよね。
簡易的なのは、「PCVフィルターのチェック」ですね。PCVフィルターがやけに早く汚れるなら、ブローバイがまずいと判断しますね。
例えば半月で真っ黒になってしまうのはおかしいな、とか。
クレーン車のスライドシーブを綺麗に保つのはオペレーターの愛!
あそこがグリスアップされていないと、同じところでグルグル回って他のところが錆びるんですよね。
キレイにするのに旋盤をかけるとお金がかかるし。そこが意外と落とし穴でして。
スプレーグリースかけて、あとはシーブを最後に動かせば終わるので。
実はスプレーグリースのこういう製品を見つけてきまして。
潤滑機能はあるけれどベタベタしないのでゴミが付きにくくなるんです。
グリースは大きく分けて2種類あります。
極圧性といって圧が掛かる場所に使うものか、そうでなくスムーズに動く場所なのかで用途がわかれます。
ブーム用のグリースはなんでグリーンなのかというと、スムーズさを求めてるからなんです。
一方でどうしてピンなどに差すのは黒いのかというと、「モリブデン」という成分が入っていて、極圧に強く、焼き付きにくいんです。
このスプレーグリースは極圧性なので、ウィンチの荷重が思い切り掛かるところに使っても大丈夫です!
でも、クレーン用に使うのは少しもったいないかもしれません。(笑)
航空会社で使われていて、「汚したくないけれど、潤滑がほしい箇所」で使われているそうです。
クレーン車のバッテリーチェックの方法はこれだ!
電源がOFFの状態で、指を二本、
「T/C油温」とその左側に当てて長押しします。
「b」になります。
「T/C油温」を押すと「C」になります。
再度押すと「d」「E」といろいろ変えられます。
これはこのクレーン車の整備マニュアル見ないとわからないのですが、大体わたしが使うのは「C」モードです。
すごく多機能なので、全部は覚えられませんが、ここを見て数字が出なければ、
・作動油のセンサーが故障してるな
・水温計が故障してるな
などを判断します。
マニュアルを片手にエラーの番号を見ながら、センサーが生きているか死んでいるかがわかるんですね。
結構査定って、外装がキレイかどうかしか査定員は見ないんですよ。
動かしてみても、その最中は何もエラーが出ないことが大半なんです。
でもこの方法でエラーがないか確認できれば「良い車」だと説得力ある提案ができますね!
クレーン車が自己更生する!「888モード」
大きいゼネコンなどの現場で安全監督が厳しいところなどでは、この方法で自己診断をやれば、自分で「今日壊れていないよな」とわかります。
クレーン車が自分であちこちのセンサーの調子を見て、自己更生をかけます。これを「888モード」といいます。
実際にやると、
・ブーム角何度にしてください
・旋回角は何度にしてください
と出てくるので、その通りに動かせば「888只今更生中」と表示されます。
最強メカニック加藤さんから、全国のクレーンオペレーターのみなさまへ、メッセージ
複雑なので修理が大変で、直せるメカニックも減っている状況があります。
なので日頃から、DPFが詰まらないように、ずっとアイドリングでじっとしているのではなくて、ウィンチ作業の時には積極的にアクセルを踏んであげて、すすが燃えやすくなるような使い方をしていただけると、わたしたち整備士的にはありがたいです。
DPFをリセットしたり、すすを燃やす装置を借りて業者を呼べば、それだけで何万円も吹っ飛びますので。
オペレーターさんのちょっとした心遣いで、エンジンを労ってあげてほしいです!
ぜひこれからもクレーン車メンテナンスの認知を共に広げていきましょう!
クレーン車のメンテナンスはお気軽にご相談ください
建機サービスでは、
「作動油のろ過クリーニング」や、
「エアーエレメントの洗浄&交換での再利用」
など、痒いところに手が届くクレーン車のメンテナンスサービスを提供しています。(全国対応!)
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下記の記事では、営業マンの視点から考える中古車査定のホンネを少しお話させていただきました。
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