結果:⽔分も除去できました。

実施⽇2024年2⽉22⽇

⽔分除去の依頼で新油レベルの⽔分量まで、除去することが出来ました。

フラッシングすることで、通常のエレメントでは取り除けない、ミクロンのゴミまで減らすことができたので今後のコンタミの発⽣抑制も期待出来ます。

以下のグラフは100ml中、4ミクロン以上のゴミの量をグラフで⽰しています。

⽔分が混⼊するとこの数値が⼤きくなり、今回の洗浄の⽬安にしました。
油圧バルブや⽅向制御弁、圧⼒制御弁、流量制御弁に⽀障が出るゴミ(固形物)の⼤きさは10ミクロン以上の⼤きさと⾔われてます(⻘線)。

198,926個→4,299個まで減らせました。

作動油は⼈間で⾔うと⾎液です。年に⼀度は健康診断(⾎液の数値化)と、浄化をオススメします。

作動油クリーニング事例

洗浄の経緯(はじめに)

まずは、基準となる新油の数値化。御社の普段使っている作動油を計測しました。

60ミクロン、70ミクロン以上の⼤きなゴミは、当然ゼロの値を⽰していました(⻘線)。

計測器はレーザー光線で分析している為、⼈間の⽬で⾒えない⽔の粒を計測できます。

新油の場合、100ml中に4ミクロン以上の固形物が466,817個あることが数値化されました。⽔分以外のゴミも含まれていますが、⼀つ
の基準にしています。

上の計測結果は、普段、御社で使っているジョウゴに⼊った新油を計測⽤に頂いたので、ジョウゴに⽔分が⼊った場合もあるため、再
度、ペール⽸から直接、新油を頂き、計測しましたが、結果は同じでした。

下の計測結果、405,563個を⽰してしています。

ISO等級(P9参照)で、油の精浄度が1から28まで(1が綺麗)ありますが、⼯業⽤エンジンで使われている作動油は、定期的な交換の
必要性を考慮し、清浄度が14から16程度の油を使⽤し稼働する設計になっていると思われます。

新油は清浄度が1だと思われる⽅が多いですが、おそらく清浄度が1の油は宇宙開発とかで使⽤される100mlの⼩瓶で数⼗万円する物だと推測されます(苦笑)。

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洗浄の経緯、⾊の変化

⾊の変化のゴミ(⽔分含む。4ミクロン以上の固形物を基準)
タンクには新油が⼊っても、配管に古い油が残っており、8:50の段階では曇っていることが確認できます。

10:40段階、400万個の計測がされていても、⼈間の⽬では透明に⾒えますが、計測することで、まだまだ⽔分(海⽔)が含まれていることが分かります。

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よくあるご質問

質問:なぜ、新油の清浄度を超えた値が出るのか?

→保管状況により、意外と⽔分が含まれていることがあります。
今回、頂いた新油のペール⽸はR4年3⽉に開封されたもので、1年弱経過していたことが原因かもしれません。
作動油ポンプには影は無いレベルだと考えます。
理想は、新油を⼊れた後に、⽔分除去をすると、配管の古い油も含めて⾼精度な作動油が完成します。

質問:浄化後、⾊は透明に戻らないのか?(アメ⾊ではなく)

→作動油の性能に⾊は関係ありません。⾊がつくのは酸化です。
例え話しで⾔うのが、“切ったリンゴはすぐに茶⾊くなるけど、ゴミでは無いですよね?”と。
きちんと、ゴミと⽔分が除去されることで作動油の本来の性能が⻑持ちさせることができます。

質問:洗浄後は、落ちた粘度や添加剤は戻るのか?

→戻りません。洗浄は新油を精製するものでは無いです。
しかし、タンク内のオイルを全て交換しなくても、定期的に追油をすることで性能が維持できると考えられます。

添加剤と粘度について

実際に含まれている添加剤と粘度を数値化したものです。
⾊の濃さは、酸化して変化しているだけで、真っ⿊な作動油であっても、新油で600ppmあった添加剤(リン)が、20年経っても50とか100ppmとかに極端に減っていないことが分かります。

粘度も同様です。
継ぎ⾜しで新油を加えて、⽔分と摩耗粉をしっかり除去することで、⼗分に作動油を⻑持ちさせることができるはずです。

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作動油の劣化について

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参考)添加剤の役割(添加剤消耗イメージ。酸化防⽌剤を例に)

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参考)基本油に以下のような添加剤を追加して、各種オイルが⽣成されています。

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参考)オイルの清浄度規格について。

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参照:
https://www.rmfj.co.jp/information/techinfo/junkatsu008/

参考)作業の様⼦

弊社の強みは、洗浄しながら、その場でオイル分析が出来ることです。

汚染度の割合に応じて、作業内容を変更できます。

通常、オイル検査は研究機関に郵送し、2-3週間の時間と、費⽤も3-4万円かかります。

その場で1本(200ml)、5分程度で検査結果を出すことができます。

今、問題ない作動油を検査することで、汚染度の⾼い作動油を⾒極められます。

無駄の無いメンテナンスを実現し、コスト削減に⼤変有効です。

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参考)作業の様⼦

作動油タンク上部にホースを差し込み、吸い込みながら、洗浄後に吐き出すので、エアーが作動油ポンプに噛むリスクは少ないです。

クリーナは⼩型ですが、1時間に1000ℓ処理できます(2台持ち込み時)。

短時間で純度の⾼い作動油に浄化します。

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参考)使⽤している分析器

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貴社のSDGsの活動を⽀援します。

近年、補助⾦事業や融資検討の際に、環境への取り組み内容が重視され始めています。

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