今までなかったクレーンメンテナンスや修理!なぜ始めるの?クレーン業界の課題

クレーンメンテナンスなぜやるの?

建機サービスは、クレーンのメンテナンスを行っている会社です。

クレーンの修理が必要となる前に!日常的なメンテナンスを行うことで、安全とコスト削減に大きく貢献しています。

汚れた作動油の濾過、エアーエレメントを洗浄して再利用する取り組み、また細々した板金修理など「かゆいところに手が届くサービス」を目指しています。

今回は、ありそうでなかったこのクレーンメンテナンス、クレーン修理のサービスをなぜ始めるのか。代表尾形の経歴を交え、経緯をお話したいと思います。

クレーンメンテナンス会社代表

近年SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)という言葉も、随分と浸透してきていますね。建設業界はかなり遅れをとっています。環境への配慮をし、限りある資源を大切にする企業であることが対外的にも求められています。

限りある資源を、どのように使うのか。

私たちは今あるものを大切にし、長きにわたり現在あるインフラを活用し、維持していく必要があります。私たち建機サービスの提供する価値は、まさにこういった日本がおかれている現状、日本の建設業に向き合うものなのです。

島国日本で、グローバル化の名の下に、資材や原油の海外依存率の高さが今後の国の繁栄に大きな
リスクであることに気づき始めた経営者も多いと思います。

四季折々、素晴らしい景色を見せてくれる豊かな自然がある日本ですが、昨今の”想定外の”自然災害で
今後も、自分達の手でこの国土を維持保全し、後世に引き継いでいく必要があります。

 

クレーン修理、クレーンメンテナンスを始めた理由
発端は営業マンのときに感じた「悔しさ」

クレーンメンテナンスの営業

株式会社建機サービスを立ち上げたのは、建設機械の売買を行う会社で営業マンをしていた頃、経験してきた悔しさに理由があります。

クレーン会社が最も困るのは、現場で突然動かなくなることです。

現場の朝は早く、4-5時の早朝に機械にトラブルが起きれば一大事です。修理会社に連絡を取ろうにも、早朝は繋がりませんし、トラブル時に現場がほしい情報は「どうしたらこの場を乗り切れるのか」です。やっと電話に出たかと思うと、修理会社からは「見てみなければわからない」と言われてしまう。

せっかく、良い状態の中古車だと判断した車販売しても、納車後に不具合が起きることがあると「中古車ですから、しかたないですね」と言うしかない自分。

「何もできることがない・・・」と不甲斐なさを感じつつ、壁にぶつかってしまいました。

クレーン修理工

「自分にもっと、クレーンの機械の知識があれば」

日々考えるようになり、自分が本当にやりたいことは営業マンとしてただクレーンを販売することではなく、それを長きにわたり、安心して使ってもらえるようにお客様に寄り添ってサポートすることだと気付いたのです。

それから、自分もオペレーターの方々と同じ格好で作業服を着て、必要な工具も買い揃え、現場に向かうようになりました

修理工の方と一緒に、クレーンの下を潜って対応し、徐々に徐々にクレーンに対する知識・経験を養っていきました。

まさにこの経験によって、適切なクレーンの査定ができるようになっていったのです。

 

クレーンの車内を見るだけで「乗っている人が見えてくる」

クレーンの修理立ち会い

中古クレーンの買取依頼で査定に行くと、どの会社さんも「うちのクレーンは大丈夫」とおっしゃいます。それはそうでしょう。(笑)

しかし、やはりどうしてもタダノや加藤などメーカーごとの特徴や車種の癖、強い部分、弱い部分はあるものなのです。パワーはあるけれどこの部分は壊れやすいなど。

これまで様々な車種のクレーンを見てきましたが、どのように査定しているのか。それは医者の問診のようなものです。

実は、これだけ色々な会社で使われたクレーンを見てくると、車内を見るだけでどんな人が乗っていたのかまでわかるようになってくるのです。

大切にされているのか、そうではないのか。

クレーンメンテナンスを普及

そのクレーンに刻まれた歴史に思いを馳せたり、擬人化して「この子は…」と見てしまうのはもはや職業病かもしれません。

クレーンへの愛着が生まれると、大きい病気をする前に早い段階でケアをしたいと考えるようになります。医学でいうところの「予防医療」です。

日頃のメンテナンスがされてるかどうかで、資産価値にも大きく影響してきます。その啓蒙活動は、建機サービスの重要な役割の一つです。

 

クレーンのメンテナンスサービスが世の中にほとんどない

クレーンも、日常で使用する車両も同じことが言えると思いますが、車内やボディをキレイに保つことが最も手軽にできる事故防止策だと考えています。キレイにしていないと車両をぶつけやすくなるのです。

もし自社に板金修理のノウハウがなければ、ぶつけてきてしまっても稼働を止めることができず、なかなか修理にだせない→余計に大切にしてもらえない→メンテナンスが行われず故障の原因を予防できない、という負の連鎖に陥ってしまいます。

メンテナンスされないクレーン

また、クレーン業界の構図として、

●クレーンを販売する会社
●壊れたら修理する会社

はありますが、日常のメンテナンスをするサービスはほとんどありませんでした。

クレーンメーカーは、主に車両の販売をし、万が一リコールが発生するような場合には交換対応をするといったことはあります。ただし、基本は車両を販売するのみで、販売契約時に分厚いマニュアルが購入者へ渡され、その中に

「何か月に一度、〇〇をしてください」
「一年に一回、〇〇を交換してください」

などと書いてあるのです。

オペレーターの方々はそんな分厚いマニュアルはなかなか読む気にならず、マニュアル自体が社内で共有されないこともあるので、推奨されているメンテナンスが行われないという結果を招いています。

クレーンのメンテナンスマニュアル

また、自分の担当機を持てるクレーン会社とそうでない会社があります。

担当機として自分の相棒が決まっていないと、愛着が持てなかったり、故障の手前の予兆に気が付けないということが起こります。これは企業様ごとに考え方や体制があることですので、社長が一番もどかしさを感じているのではないでしょうか。

多くの会社ではメンテナンス専任者を配置することは難しく、業界全体でクレーンに対する十分なメンテナンスがおこなわれていないというのが現状です。

 

クレーンのメンテナンスに関心を持ってほしい社長と、早く帰りたいオペレーター

クレーン会社のもどかしさ

故障してしまった中古クレーン車を見ていると、本当にもったいないと感じることが多々あります。

例えばグリスを塗る時、本来であれば前回塗ったグリスを丁寧に拭き取ってから新たにグリスを塗布します。
しかし拭き取られずに塗り重ねてしまい、最終的に不具合が発生し100万円単位の修理費用をかけて直したということもあります。

この例をひとつとっても、メンテナンスの正しい知識が普及していないということがおわかりいただけるかと思います。

オペレーターがクレーンのケアをするのは仕事が終わって車庫に戻ってから。ところが、オペレーターからすると自分の仕事は「現場での作業」です。愛着がなければメンテナンス作業はさっさと終わらせたい、またはやりたくない雑務となってしまうのです。

普段からクレーンの様子に意識を向けて、おかしくなりそうな兆候・予兆をオペレーターの方々が気付くことができれば、それに越したことはありません。修理コストの抑制にも繋がっていきます。

私たちは、ただメンテナンスサービスを提供するのではなく、この状況をなんとか変えたいと思って活動しています。

クレーン会社の経営者の方やオペレーターの方々へ、クレーンメンテナンスに関する知識や他社ではどのように実施しているのか伝えることで、業界全体に貢献できると信じています。

 

クレーンメンテナンスを、世界に誇れる中古建機を日本から!

クレーンメンテナンススタッフ

(お客様の会社にインタビューに伺った際の写真。エンジンの修理を行っています。)

クレーンのメンテナンスを普及することで、世界における日本のクレーンの評価・価値を高められると考えています。

現状でも、日本のクレーンは品質も高く、世界に誇れる優秀な製品です。輸出された日本の建設機械は東南アジアを中心に、さまざまな建設現場などで活躍をしていますが、最近はコストがより低い外国製のクレーンも台頭してきています。

それが中古品であっても日本国産のクレーンは「丈夫で故障しにくく、使いやすくて長持ちする」という評価を高めて行ければ、高値で輸出することができます。日本の経済を潤わすことに繋がっていくのです。

 

日本人の生まれ持った気質は、細かな作業が得意で、ものを大切にする。「モッタイナイ」という言葉もそうですね。

メンテナンスをクレーン業界の文化に再び根付かせていくことで、車両も寿命を全うすることができるでしょう。

建機サービスでは、これから手入れの仕方や整備の方法をYouTubeで発信する取り組みも行っていく予定です。

オペレーターの皆様が現場での休憩時や待機中に見てもらえるようなコンテンツを企画しています。

 

島国日本で自分達の手で「当たり前」を未来へ繋げる

気候変動や、コロナの流行などで今まで当たり前だったことが当たり前ではなくなってきています。

世界中の物流や生産活動も止まり、日本の産業や人々の生活にも多大な影響を与えました。こういった状況下で痛感するのは、様々な資源を輸入に頼っている日本の体質です。

資源には限りがあるのです。

クレーン業界も、今あるものをどうやってサスティナブルに使い続けられるか、多くの人々を巻き込んで考えていく必要があります。

壊れないようにモノを大切に使うということもそうですが、私たちが扱っている「エアーエレメントの洗浄」も「汚れた作動油の濾過」も、まだまだこうやって再利用できるということが知られていません。

エアーエレメントに至っては、国内で13万台稼働していると言われるクレーン、年間どれだけ再利用されずに鉄の塊が廃棄されているでしょうか。ほとんどの企業でエレメントは洗浄して再利用するのではなく新品と交換されていると思います。

クレーンメンテナンスや修理でエコに

これは、代表の尾形が撮った写真です。

この鉄の塊は、溶かして再利用するにもCO2を出すわけです。またその鉄を使って新しい製品をつくるのにもCO2が発生します。

熔解するのと、洗浄してまた使うのと、どちらがCO2排出が少ないか厳密に測定したわけではありませんが、ただ一つ言えることはエアーエレメントは洗えば全く問題ない状態でまた使えるということです。

↓こちらが、洗浄済みのエアーエレメントです。重さを計り、どれだけの目詰まりがあったのか、新品との比較などがわかります。

本当に問題なく使えるのかと質問をいただくことがありますが、大手運送会社やバス会社では20年以上前からこの運用方法を採用しています。

また、新品と交換するより、コストが半額以下に収まることが多いというのも、経営に直接響く大きなメリットです。

そして、今では採用活動においても、社会問題に取り組んでいる企業として認識されることが大切なようです。そしてクレーンが発する騒音やアイドリングなど、社長は特に地域の視線も気になることでしょう。

周囲に取り組みを伝えるために、建機サービスではメンテナンスをご利用いただいたお客様にこのようなステッカーをプレゼントしています。

クレーンメンテナンスのステッカー

今ある社会インフラをしっかりと保全し、後世にも繋げていけるようにしなければなりません。クレーンなどの建機も、「壊れたら新しいものを購入する」のではなく、壊れないように大切に使うことが、資源の少ない私たちの国が選ぶべき道だと思うのです。

私たちができることは、クレーンをはじめとする建機のメンテナンスを通じて、変わりゆく時代の流れに沿い、今後100年、200年にわたり私たちが享受している多くの「当たり前」を、未来へと繋げていくことです。

 

クレーンメンテナンスのあり方を、一緒に考えていきませんか?

クレーンのメンテナンスで車両の寿命を延ばすだけではなく、オペレーターのみなさんの安全を確保することにもなります。

整備されていないクレーンで現場に行くのは誰しもが恐怖を感じるでしょう。万が一…現場で突然稼働しなくなったら….

お客様からは冷ややかな目で見られてしまうでしょうし、現場のストレスで大切な社員の離職の原因にもなりかねません。

メンテナンスを怠ったことで故障してしまえば、それは誰の責任かといわれると企業の責任となってしまうのです。

 

安心して働くための設備の維持管理。

そして再利用の取り組みで経費を抑えられる一方、高感度は上がります。

もしクレーンのメンテナンスにご興味があれば、気軽なご質問から受け付けております。

メールやLINEでお問い合わせいただけます。

情報収集からお気軽にご連絡いただければと思います。全国対応です。

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